2013年6月29日土曜日

微妙なセミナー

最近、セミナーや講演会によく参加しています。

色んなセミナーを聞いてみて、素晴らしい!と思うものもあれば、そうでないものもあります。

そして、そうでないものの中にも、話がつまらない(ごめんなさい)と思うものと、これってどうなの??と異議を挟みたくなるようなものに別れます。

先日聞いたセミナーも、そのようなものでした。




偉い先生の講演だから、といって話を鵜呑みにするのは危険です。

ネガティブな話なのでちょっと気がひけますが、こんなセミナーもあるということで、読者諸賢のご参考になることもあるかもしれないので、紹介します。

その時の内容は、一言でいえば食生活を見直そう、という話です。

農業のコーチとして聞いておきたいと思って、参加しました。

概要は、以下の通りです。

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日本の医療事情は、昭和20年を境に急激に悪化し続けている。

これまでは「子が親の葬式を出す時代」だったが、これからは「親が子の葬式を出す時代」となる。

きっかけは、米国が日本を占領した際、日本人の優秀さに脅威を感じて、日本人劣化作戦の一環としてパン、牛乳食を推奨したため。

その結果、日本の医療費は最近では数10兆円に達した。

これは60年前の160倍の額になる。



この傾向に歯止めをかけるには、日本人に合った食生活に戻す必要がある。

近年の食生活の良くない一例としては、白砂糖がある。

これは、C12H22O11という化学式で表されるもの。

化学式で表されるものは、薬である。

そして、薬を多量に摂取すると、毒になる。

白砂糖の場合は、多量に摂取することにより免疫力を落とすとともに、排出のためのビタミン、ミネラルを消費してしまう。

特に問題なのが、カルシウムの消費。



だからと言って、カルシウムを補給するために牛乳をとるのもよくない。

人間(の子ども)が取るべきは母乳であり、別の生き物の乳ではない。

そもそも、牛乳にカルシウムが多い、というのが間違い。

煮干しや海藻の数分の一しか含まれていない。



健康に最も重要な時期は、受胎から3年間。

その間に、地元で取れた食べ物、昔ながらの食べ物を母親が食べ、子どもはその母親の母乳で育てるのが、その後の人生を健康に過ごす秘訣。

メディアや広告や回りの情報に惑わされず、自分で考えて行動するのが大切。

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私の考えるよい講演とは、聞くことによって感情を揺さぶられて行動にかきたてられるもの、と思っています。

そういう意味では、聞く人に危機感を煽り立てる、よい講演でした。

が、強引な論理展開が多すぎです。



いくつか挙げますと、医療費が増えたと言われましたが、物価の上昇や高齢者の比率が増えた点に対して考慮せず、単に数字を比較しただけでした。

また、化学式で表されるものは薬、というのなら、水(H2O)も化学式で表されるので薬なのか?とツッコミたくなりました。

牛乳を他のものと比較してカルシウムが少ないといいますが、比較例の煮干しや海藻は干して水分を抜いているので、フェアな評価になっていません。

(他にもありますが、省略します。)



講演者は上記のような点に気付いていないはずはなく、意図的に事実を歪曲してしゃべっていると思わざるを得ません。

全体的には参考になる話も多かったのですが、こんな風な歪曲があると、話の内容全てが信用なくなってしまいます。

そこがとても残念です。



メッセージ性を高めるために煽情的に表現するにしても、もう少し事実に謙虚に講演して欲しかったです。



もしも私達がしゃべる時には、メッセージを伝えたいあまり、過度に煽り立てることのないように、気をつけましょう。

そして、セミナーを受ける時には、講演者が最後に述べた通り、自分で自分の理性と知性を駆使してよく考えながら聞くようにしましょう。

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