2013年8月24日土曜日

無用の用


 先日、畑の草取りをしていたら、アリの巣を見つけました。

 じーっと観察していると、働きアリ達が色んな動きをしていて、なかなか興味深いです。

 それを見て、昔聞いた話を思い出しました。



 働きアリはみんな一生懸命働いているように思いがちですが、実際は働きアリの中にもよく働くアリと怠け者のアリの2種類いるそうです。

 概ね2割が怠け者の働きアリだったそうです。


 さらに、この中のよく働くアリだけを取り出して、女王アリと一緒に飼育してみると、働きアリ達の働き方に変化が出てきたそうです。

 すなわち、よく働くアリばっかりだったのが、その中の一部が怠け者になったそうです。

 そして、その怠け者の数は、やはり全体の2割くらいになったとのことです。



 それでは、と元の集団の中から怠け者のアリだけを取り出して女王アリと一緒に飼育すると、やはりこの中でもよく働くアリと怠け者のアリに別れ、怠け者の比率は2割くらいになるそうです。





 実に興味深いです。

 こんな風に働き者と怠け者の比率が一定になるということは、そうなるだけの必然的な理由があると考えるべきかもしれません。

 怠け者のアリに、どんな存在意義があるのでしょうか。



 調べてみると、怠け者のアリは、コロニーに何らかの危機が生じたときの予備の労働力としてプールされている、という説があるようです。


 普通に一生懸命働いているアリは、疲れていて?危機が生じても対処できません。

 人間と同じように、過労死する働きアリまでいるそうです。

 逆に、怠け者のアリは体力に余裕があるので緊急の場合にはすぐに対応できます。

 そのために、わざわざ怠け者を養っているというのです。



 人間社会でも同じことがいえるかもしれませんね。

 このブログでは最近、会社の職場の話をよく書いていますが、現在の職場では怠け者の社員は速やかにリストラされるでしょう。

 でも、このようなアリの現象を見てみると、本当にリストラが正しいのか、と考えさせられてしまいます。


 一見、有用に思える人でも、基礎がしっかりしていないままにあくせく働いて、ちょっと環境が変わるとすぐに挫折してしまうかもしれません。

 無能に思える人でも、普段の職務とは全く異なる問題が発生した時には意外な力を発揮してその問題を解決してしまうかもしれません。


 無用の用、とでも言うべきでしょうか。



 こうしたことは集団のメンバーに限りません。

 一見、無用に思えるものでも、実は思わぬところで役に立つことは多いものです。

 目先の利益にとらわれずに本質をしっかりと見極めて必要、不必要の取捨選択をしたいものですね。


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