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2013年10月26日土曜日
文化的欲求と購買
ポトラッチという、インディアンの風習があります。
これは、彼らが受け渡しするプレゼントに関するものです。
彼らの中の有力者が、子供の誕生とか結婚式とかの時に盛大なパーティーを開きます。
そのパーティーでは、大勢の一人を招いて、超豪華なプレゼントを渡します。
当時、なかなか入手できなかった、毛皮とか銅のプレートとか。
一方、もらったほうの人も後でお返しをします。
その時のお返しは、もらったもの以上の価値のあるものでなければなりません。
こうしたプレゼントは、相手のためにというよりは、自分の気前の良さを示すための手段となっています。
従って、そのアピールのために、自分の全財産をなげうって饗応したり、時には相手の目の前で自分の家を燃やしてみたりもします。
十分なポトラッチができないとなると、その人の社会的地位は失墜してしまいます。
このような風習において、実際に受け渡しする品物は、生活に必要だから、というよりも地位や名誉の象徴としての役割を担っています。
ところで、現在において、モノの価値はこのポトラッチに近づいてきているといわれています。
昔のもののない時代では、モノの価値は主に身体的欲求を満たすことにありました。
食べ物は空腹を満たすため、衣服は寒さを防ぐため、といったふうに。
しかし、現在はそのような身体的欲求よりも、文化的な欲求の方が強まりました。
服など特にそうです。
寒さを防ぐというよりも、見た目が魅力的かどうかに重きをおいて選ばれます。
あるいは家なども、夜露を防ぐためというよりは、自分の権威を見せびらかすため、というお金持ちも多いです。
農産品もそうです。
農家の方が直接販売する際には、売り切ろうとしてどうしても安くしてしまいがちです。
しかし、買う側の人は、お腹をふくらませるためにというよりも、自分の価値観や興味を満足させることが優先される場合が多々あります。
このような要求を満たすために、値段を安くすることは、必ずしも有効な手段ではありません。
むしろ、高級感や希少感が必要となるのです。
生産者側としては、このような消費者心理を考えながら販売を考えていく必要があります。
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